グリーフケア(grief care:悲嘆ケア) という言葉をご存じですか?
こころのケアのひとつで、肉親や友人を失った遺族が悲哀や怒り、悔やみを乗り越えられるようその過程をケアすることです。最近では、家族同様にしているペットを失った場合にも使われている言葉ですね。
先日、新聞で、JR福知山線の事故の際に、トリアージで黒(死亡または蘇生の見込みがない)と判定され病院に運ばれなかった息子さんの母親の記事が載っていました。「トリアージの意味も必要な理由もわかってはいるけどやりきれない」といった内容でした。
トリアージ:多数の受傷者のいる災害医療現場のなかで救命する優先度を重症度と緊急度で判断し治療に当たる標準的な方法をいう。通常、訓練された医療従事者が行うが一回のトリアージでは刻々と病状は変化するし誤りもあるので可能な限り何回でも行うことが望ましいとされている。
カードの色で判定できるようになっており、赤(重症)・黄(中等症)・緑(軽症)に分け手首などに巻く
トリアージは「防ぎ得た死」を一件でもなくすことが目的でもあるのである。
このひとは、医師に「息子さんは即死だった。このトリアージ判断のおかげで助かった人もいる」と詳しく説明してもらい納得したと言うことです。
災害を体験したことのある人、または今後災害に遭遇するとこのようなケースは出現すると思います。もし自分の周囲にもこんなことがあったらとおもうとやりきれない想いになります。
グリーフケアはアメリカから入ってきた言葉と概念ですがまだまだ日本ではこのケアの認知度も低いし、支援もすすんでいません。
病院の医療者は患者さんが亡くなられた場合に関しては退院されるのでその後の悲嘆に関してはあまり深く接することは少ないと思います。
ですからグリーフケアについて訓練されているケースも少ないのではないかと思います。
しかし看護する私たちは患者さんが亡くなられる場合の悲嘆だけでなく、例えば患者さんが臓器を失う悲嘆や死の予期的悲嘆など様々な悲嘆には出会います。そういった場合は状況もいろいろ違うでしょうから、悲嘆の状況の判断やその人の親身になれることをわすれないでいたいものです。
驚いたことに、葬儀屋さんなどの業界にはこのグリーフケアに取り組んでいるところが多いようです。なるほど・・・と思いました。
興味ある方は「グリーフケア」という検索用語で調べたら葬儀屋さんのHpがでてきてケアに関して記載しているところを見つけることができると思います。
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