ご自分の病気や治療について、患者さんが主治医以外の専門医の意見を聞くことを「セカンドオピニオン」といいます。
主治医の診断や治療方針に疑問を抱くこともあるだろうし、他の医師なら違う治療をするかもしれないので自分にとって最適な方法を選択する手段となります。
今日は、この「セカンドオピニオン」についてお話ししましょう。
最近、「セカンドオピニオン外来」を置く病院が増えてきました。
対象となるのは、患者さんご本人とそのご家族の場合が多いです。
費用については、保険診療の枠内で実施するのは今のところ難しいようでほとんどの病院が自由診療で行っています。だいたい30分の相談時間で7000~1万円くらい(もっと高いところもあります)、1時間で3万円くらいのところが多く、全体として決して安くはないです。金額の根拠の多くは大病院のその道の第一人者が回答するためのようです。
この金額を高いと取るかどうかですが、”人生の大事な選択のための正しい判断をしてもらうため” だと思うと仕方ないのかなあと考える人も多いようです。
これまで医療機関に対して患者さんは、「まな板の上の鯉だから」とおっしゃる方も多かったのも事実です。本当にそれでよいのでしょうか?
病院や医師がいつも正しいとも限らないわけだし、客観的な判断を必要とすることがあります。医師と患者の当事者同士では正しい判断ができないことも多いです。その判断をセカンドオピニオンに求めることはよい方向性だと思います。
セカンドオピニオンは、1990年代後半に入ってアメリカから日本に広がったものですが、自分や家族に対して「納得できる医療を選ぶ」風潮になってきたのだと思います。
患者であるから病院や医師・看護師に遠慮して言いたいことがいえないというひとも多いのではないでしょうか?今後もお世話になるのだしちょっと位の不安や不満は我慢しようと思っては居ませんか?
でもよーく考えてみてください。その犠牲にしているのはご自分の生命なのです。
そういうときに少し知恵を絞って、あまり刃向かっているようでないさりげない質問や疑問にして病院や医師・看護師に投げかけてみましょう。
文句を言わない患者がよい印象を与えると思っていませんか?
確かにそういう面はなくはないですが、注文や疑問を率直にいう患者さんには、実は「うかつなことをするとチェックを入れられる」と思い気遣うので、実施する医療も丁寧になるのです。
それから医療者は、エビデンス(証拠)を突きつけられると反論のしようがないので、「わたしはこういう治療をされていて現在こういう状況ですがこういう事実があるのではないでしょうか?」と新聞の切り抜きや調査結果(Webで探してきてもよい)を見せたりしたら慌てて丁寧に質問に答えてくれますよ。
医療者に「わたしは自分の体に関して自分なりに責任を持ち、医療を監視しているのよ!」ということを常にわかってもらうということは大切です。
医療者は神様ではありません。ミスもしますし個人的に疲れていたりすることもあります。でもそれは不運だったと許されることではないので、患者さん自身がしっかり見張って居ないといけません。そのためには知識を持つことです。そして疑問はそのままにしないことです。
最近、情報が得やすい世の中になってきています。情報を獲得する努力をしましょう。
そして自分にとって最適な方法を選択できるようになりましょう。
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