昨年、ゴールデンウィークから猛威をふるったH1N1インフルエンザもようやくすこーし下火になってきました。
小学生の息子も新型インフルエンザに罹患し、私も看病のため偉い目に遭いました。
その後も息子の学校は度重なる学級閉鎖がありいまもその遅れを取り戻すために授業数が増え大変です。多くの学校でも同じ状況でしょう。しかし、今回流行したウイルスが、ここ数年来そのアウトブレイク(暴露)を恐れていたH5N1のような致死率の高いものでなかったことが不幸中の幸いでした。
よく季節性と新型とどこが違うのですかという質問がでますが、型が違うという以外に大きく違うのは今回の新型は思春期から青年期の若者が多く罹患したということです。伝播しやすいという特徴があり、慢性疾患を持つ人や妊婦さんは重症化しやすいと言うこともわかりましたから今後も油断なくしたいものです。
看病していた人が抗ウイルス薬を予防投与したケースでうつったという例がほとんどないらしくて、今後アウトブレイクするような場合は予防投与の重要性もあるのではないでしょうか。
ワクチンはいまのところようやく医療従事者や基礎疾患のある人々、小学校低学年の子達に行き渡りつつあります。今後、中高生や高齢者、そのあとに一般成人へと行き渡るでしょう。
当初2回摂取必要とされていましたが一回摂取で良くなったので5400万人分足りる予定です。ただしいまのところ12歳の中学生、1歳~小学生は2回摂取のようです。これも状況が変わるかも知れません。
足りないあとの半分は輸入ワクチンになるでしょうが、国内使用経験がないためにアジュバント(免疫補助薬)が使用されている(この安全性がまだ未知)、国内使用経験がない細胞株を用いている(この安全性がまだ未知)、摂取方法が皮下注射でなく筋肉注射である、外国の子どもと日本の子どもの体重がちがうので参考データが不足であるなど課題が指摘されていて、安全性が確認されたら使用されるでしょう。
国内産のワクチンであっても副作用(副反応とも呼ぶ)はおこります。摂取部位の発赤・腫脹・疼痛が1-2割におこります。全身の症状としても倦怠感や頭痛、発熱などが1割程度おこります。しかしこれらは通常2-3日で消失します。
その他、重篤な副作用として急性脳炎やギランバレー症候群の発症例が報告されていますがごくまれで他のワクチンと変わらない確率です。しかし、ワクチン接種したあと、しんどいで済まない程度の非常に調子が悪いと感じるような場合は受診しましょう。自分で判断できないというときはそういう状態だと思います。
これは季節性のワクチンでも起こり得ますので同じような対処をしてください。
アレルギーや喘息などの持病があるかたは異変がないか確認するためワクチン接種後30分は病院にいるようにしましょう。
新型インフルエンザやワクチンの副作用についてもっと知りたかたはこちらへどうぞ
ギランバレー症候群とは:手足の先から始まる弛緩性麻痺(力が入らなくなる),顔面の筋力低下、眼球運動の低下、嚥下障害などがおこります。重症の場合、神経障害性の呼吸麻痺が起こります。私が病院で看護したヒトも人工呼吸器をつけるほど悪くなりましたが治癒されました。予後は一般的によいのですがわるくなるケースもまれにあります。
私たちが、今回の経験から学習したことは、外出から帰ったらすぐに手洗い・うがいが重要であることです。咳エチケットなどほかのヒトにうつさない行動を個人個人がしっかりしていく必要性も学びました。
重症でないなら家で療養することが最も賢明な方法であることも知りました。そのことを周知させることも重要だとわかりました。しかし重症度の判断が素人にはできないためそこには電話相談が重要な役目を果たすことがわかりました。
今回、兵庫県ではこの電話相談にわたしが担当理事をしている兵庫県看護協会「まちの保健室」看護師が活躍しました。誇らしいことですし、災害やパンデミックの時に活躍できる可能性があることがわかりました。いま、まちの保健室と災害支援Nsが連携できるよう私たちは取り組んでいるところです。
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