災害はいつやってくるか分からないのですが、「のど元過ぎれば熱さ忘れる」という格言にぴったりあてはまるのが災害に対する人々の考え方だといえます。災害にあった時には「備え」が必要だと、みな強く認識するのですが、時間が経過すると過去の痛みを忘れていきます。これには人間が「前を向いて歩いているから過去のことを忘れようとするのだ」という人もいるのですが、
災害に関しては過去の教訓から備えることが重要なのです。
又、災害が頻発している昨今の世界の状況を考えますと、「備え」をしておくことはさらに重要性を増しつつあります。 「備え」とは、物を揃えるとかだけではありません。あらゆる備えをしておくに越したことはありません。ここでは、そのことについて少し書きますね。
特にリウマチ患者さんは、重い物を持って速く逃げることが普通の人に比べて苦手だといえるでしょう。そういう意味では災害弱者(こういう言葉は最近ではふさわしくないと言われるのですがあえてこう表現しますね!)と言えます。 それならば、どのように備えたらよいのかをじっくり考えましょう。
災害にはどんなものがある?
■自然災害
急性型(突発的):地震・津波・台風・竜巻・火山爆発
慢性型(徐々に被害拡大):洪水・干ばつ・疫病
■人為災害
テロ・大火事・航空機爆発・化学工場爆発・原発事故・列車事故・交通事故・戦争
■都市型災害
人口密度高・交通網発達・医療機関多い・孤立低
■地方型災
人口密度低・住宅分散・交通不便・医療機関少・孤立高
災害が起こるとその後どうなる?
災害が起こったらどうなるのかをイメージできますか?イメージして初めて人はその後の予測をして行動を起こすことができるのです。
■生命に危険が及ぶ
どのようなことで生命に危険が及ぶか想像ができますか?
1995年に起こった阪神・淡路大震災では死者の8割は倒壊家屋によるものです。
■日常性が壊される
普通に暮らしている今は、その「普通に暮らす」有難さはわからないかもしれません。しかし、一度災害が起こったら、いま維持している通常の暮らしの欲求の全てが満たされなくなります。そのことによるストレスやダメージは計り知れないでしょう。具体的にどうなるのかを、人々がどのような反応を受けやすいのかを知っておき、強い精神力を持てるように普段から心がけることができたらよいですね。
では具体的にどうしていったらよいのでしょう。
災害の各時期に主に起こる問題
■平常期
災害の備えが不十分
■災害創期 (災害発生後3日から一週間)
適切なケアが必要でも受けられないかも知れない
これまでの経過を知らない医療者と関わるストレス
避難所など居住空間の状況が悪いため感染症や病気の発症の恐れ
■災害中期・長期 (災害発生後一週間から2~3年程度)
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)の発症の恐れ
- 病気の十分な管理が出来ず悪化の恐れ
- 住居の移動や将来に関する不安
- 被害に遭わなかった周辺住民にとっても被災住民との関わりが難しくなる
普段から実践できる災害への備えと避難行動
- 定期的に災害訓練をする
- 災害時の備えに関する教育を受ける
- 災害を身近なこととして認識し準備する
- 自分で逃げることが出来るか?を考えましょう。
そして - 家族や周囲の人が自分を助けて逃げることができるか?を考えましょう。
- どうやってどこへ逃げるかをよく話し合っておきましょう。
災害はいつ起こるかわからないので昼起こったときの場合・夜の場合・自分やご家族の方が別々に外出中の場合などいろいろな場合を考えておき連絡方法や手段を押さえておきましょう。 - 感染症に対する知識を持っていますか?
災害後は、避難所に避難することが多くなります。慣れない環境で生活するため体調を崩したりする人が多くなります。また多くの人が集団で一つの空間で生活することで、一人の風邪症状などでも蔓延しやすいです。この場合、人にうつさない対策を一人一人がすることが必要です。うがい手洗いができるならする。水がほとんど無い状態の時には、どういう行動をしたらできるだけ清潔な環境が維持できるか?を考えましょう。 - PTSDに関する知識・予防・対応ができるか?
- 災害の状況に対応できる能力があるか?
災害に備えるチェックリスト
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